BlendVisionでは、ライブの配信方法として2種類 -- ライブ配信と疑似ライブ配信を用意しています。今回はこの疑似ライブ配信について、簡単な設定方法を用いて一連の流れをステップバイステップでご紹介します。
疑似ライブ配信とは
疑似ライブ配信とは、手元にある動画ファイルをライブ配信かのように配信する方法です。
以下のように、ライブのメリットとリスクのいずれもカバーできるため、近年、通常のライブ配信と並行して利用される頻度が増えてきています。
- ライブ形式でリアルタイムで不特定多数の視聴者と共に同じシーンを視聴する興奮や面白さを楽しめる
- 同時に、現場でのリアルタイムの中継でありがちなトラブルも避けられる
BlendVisionにおけるVOD配信と比較した際、チャットルームやアンケート機能が使えるメリットがあります。そのため、こうした機能を使いたい場合には、VOD配信ではなく疑似ライブ配信も視野に入れて検討してみてください。
Step0 - 準備するもの
疑似ライブ配信は、ライブ配信とは異なり配信するのは動画ファイルです。
そのため、動画ファイルを用意さえすれば、お手元にあるパソコンやスマートフォンを使って、簡単に疑似ライブ配信も開始することができます。
- 素材となる動画ファイル(フォーマット要件:通常配信 / DVRモード用、VODモード用)
- BlendVisionのアカウント
- BlendVisionウェブコンソールで設定操作を行う端末とブラウザ *
- 疑似ライブ配信のプレーヤー(視聴側)に対応している端末とブラウザ ** (再生対応ブラウザ)
* パソコンやスマートフォンのブラウザから、ウェブコンソールへのアクセスが可能です。いずれの端末でも、正常にインターネットに接続できることを確認してください。なお、作り込んだ疑似ライブ配信を設定したい方には、細かい設定項目が多いため、パソコンなど大きな画面での操作を推奨いたします。
** もちろん、設定操作を行う端末で同時に視聴することも可能です。ここでは、不特定多数の方向けの疑似ライブ配信というサービス観点から、対応ブラウザ要件を配信者側に認識いただくことを目的とし、分けて記載しております。
Step1 - 疑似ライブイベント作成
各種準備物の用意が完了したら、疑似ライブイベントを作成しましょう。
ただし、こちらもライブ配信の一種であるため、設定、カスタマイズ可能な項目はとても多くあります。目を通しておくべきヘルプ記事も多いため、適宜ご参照ください。
- 疑似ライブ配信の場合、配信モードによって配信用ファイルのソースは異なります。ライブイベント作成の前に、それぞれ必要な場所へ動画ファイルをアップロード(&エンコード)しておきましょう。
- 通常配信 DVR(追っかけ再生):ライブラリ内のビデオファイル
- VOD:VODリスト内のVOD
具体的な操作手順
- BlendVisionアカウントでウェブコンソールにログイン
- サイドメニューから「ライブ」を開き、右上の「ライブイベント登録」をクリック
- 一般タブで「疑似ライブ配信」を選択
- 各種タブ(一般、コンテンツ保護、エンゲージメント)の設定内容は最低限確認
- 各種設定後、右上「ライブイベント登録」をクリック
ライブ用ファイルはライブラリのビデオから選択
ライブ用ファイルはVODリストから選択
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ライブイベントの作成
ライブ作成の詳細を紹介しているマニュアルです。 - ビデオライブラリ管理
通常配信、またはDVRモードの場合、ビデオライブラリに事前に動画ファイルを追加しておく必要があります。各種要件や操作について、見直しておきましょう。
Step2 - 視聴用URLの取得・共有
ライブ配信と違い、疑似ライブ配信の場合、ほとんどのステータスは自動的に遷移します。(詳しくは、本記事最後のセクションで詳しくご紹介しています。)
ここでは最もシンプルな方法を用いているため、残る作業は視聴用URLの取得、共有のみです。早速、ショールームという配信用WebページのURLを取得、共有しましょう。
具体的な操作手順
- ライブイベントリスト上で、該当ライブイベントの右側「公開ツールアイコン」をクリック
- 「ショールーム」が選択されている状態で、右側の「コピー」をクリックしてURLをコピー
これで疑似ライブ配信のショールームURLが取得できました。配信開始日時の設定に合わせ、タイミングを見計らって視聴者に共有しましょう。
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ライブイベントの共有と公開
疑似ライブ配信でも、URLを共有するだけで公開できるショールームの他、埋込みiFrameプレーヤーやプレーヤーSDKの3つから選択が可能です。
Step3 - 疑似ライブ配信の監視・制御
通常のライブ配信であれば、作成後、リハーサルをしっかり行い、本番前のあらゆる調整を行った上で、緊張感を持って本番を迎えます。しかし疑似ライブ配信の場合、BlendVision側で自動的に処理が行われることと、すでにコンテンツは動画ファイルとして手元にあるため、最もシンプルな方法を用いると、最低限、視聴者URLとコントロールルームの双方を開いて監視するだけで十分です。
ただし、各種設定に応じて、実施すべきアクションも増えていきます。以下、関連マニュアルをご用意しましたので、適宜、必要な設定箇所についての理解を踏まえ、本番でのアクションアイテムを準備、管理してください。
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ライブコントロールルーム
BlendVisionでも、ステータスが「プレビュー」時には、コントロールルームに入ると実際の疑似ライブ配信で配信予定の動画の再生が可能です。 -
ライブ中にチャットルームを管理する
疑似ライブ配信では、チャットルームも利用できます。こちらを利用する場合、チャットルームの制御も状況に合わせて必要になってきます。 -
ライブ配信動画をVODとして利用する
VODモード以外を選択している場合、疑似ライブ配信でも見逃し配信設定が可能です。
Step4 - 事後作業
さて、ほとんど自動的に「終了」ステータスまで進んでしまうため、ライブ配信に比べると、あまりにやるべきことが少なく、驚いた方もいるかもしれません。
さて、最後のこのステップでは、事後作業として、利用したライブイベントの再利用を検討し、必要に応じてアーカイブする作業を進めてください。
そしてもう1つ、BlendVisionでは、今回のライブ全体のデータを分析できる機能が標準装備されています。視聴地域やデバイス情報等、各指標データを取得、分析し、次回以降のイベントに活用してください。
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ステータスが「終了」のライブイベントは、同時ライブ配信数にカウントされます。再利用の可能性がない場合、「アーカイブ」に変更し、同時ライブ配信数を減らしておくことをお勧めします。
- 分析モジュールに表示される「ライブ時間」は、「プレビュー」〜「ライブ配信終了」ステータスの間で計測されます。
具体的な操作手順
ライブイベントのアーカイブ
- ライブイベントリストで「終了」ステータスであることを確認
- 右側「︙」>「アーカイブ」を選択
- 注意書きを確認し、問題なければ「アーカイブ」をクリック
ライブイベントの分析
- ウェブコンソールのサイドメニューから「分析」をクリックし「概要」「ライブ」タブを開く
- 該当ライブの詳細情報を確認
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ライブイベントのアーカイブ
ライブをアーカイブするか判断するための情報や、アーカイブに関連する注意点等が詳しく記載されていますので、アーカイブの前にご一読ください。 -
ライブ配信の個別分析
ライブの個別分析の見方について説明しています。
【基礎理解】疑似ライブ配信フロー
疑似ライブ配信がライブ配信と大きく異なるのが、ライブイベント作成後のステータス遷移の挙動です。本ガイドのステップを見ても、もし、ライブ配信を設定された方であれば、そのステップのシンプルさに驚いたことでしょう。
さて、ではここで、疑似ライブ配信におけるステータスの遷移の特徴について学びましょう。
疑似ライブ配信では、自動的に次ステータスに遷移する挙動がほとんど
疑似ライブ配信の場合、すでに配信すべきコンテンツは手元に準備できているため、ほとんど手動操作なくスムーズに配信を進めることが可能です。その配信パターンとしては、「配信モード」と「開始日時」の設定に応じ、大きく3つ考えられます。
パターン1:開始日時「今すぐ」を選択した場合
適用モード: 通常配信 DVR(追っかけ再生)
開始日時を「今すぐ」とした場合、ライブイベント作成後、ほとんどのステータスは自動的に遷移します。以下の図でもわかるように、オレンジ色の自動遷移ステータスがほとんどであるため、配信元で行うべきことは限られます。
- ライブイベント作成後、直ちに配信URLを共有
- 「ライブ配信終了」のタイミング制御
パターン1の場合、ライブ配信中にコントロールルームに入ると、「ライブ配信終了」ボタンが表示されています。配信元でクリックすると、その任意のタイミングで疑似ライブ配信を終了させることができます。
- 「準備中」「ライブ配信起動中」はBlendVision側の内部処理ステータスです。完了するまでにそれぞれ数分ずつかかります。
- 「ライブ配信中」ステータスの間は、ライブ配信時間としてカウントされます。
- もし何も操作をしない場合、疑似ライブ配信は動画ファイルの再生を終え、その後5分を経過してから自動的に「ライブ配信終了」に遷移します。動画ファイルの再生終了後は黒画面となるため、黒画面を避けたい方は、コントロールルームでリアルタイムで監視を行い、動画が終了した時点で「ライブ配信終了」ボタンをクリックしてください。
パターン2:開始日時「スケジュール」を選択した場合
適用モード: 通常配信 DVR(追っかけ再生)
開始日時を「スケジュール」とした場合、パターン1と同じような動きをとりますが、唯一異なるのは、ライブ配信前に「予約済」と「プレビュー待ち」ステータスが追加されることです。ただし、これらのステータスも含め、ほとんどのステータスはライブイベント作成後、自動的に遷移します。
開始日時を「今すぐ」としたパターン1よりも、操作できる範囲は増え、ライブ配信と同様、「プレビュー」「配信開始」のタイミング制御も可能となります。
しかし、ほとんどのステータスにはあらかじめ自動処理要件が設定されているため、配信元が何もしなくても、設定に基づいて各種自動的に遷移します。
- 「準備中」「ライブ配信起動中」はBlendVision側の内部処理ステータスです。完了するまでにそれぞれ数分ずつかかります。
- ライブ作成日時が開始日時から12時間以内の場合、ステータスは「準備中」の次に「プレビュー待ち」に遷移し「予約済」はスキップされます。
- ライブ作成日時が開始日時から15分以内の場合、ステータスは「準備中」の次に「ライブ配信起動中」に遷移し「予約済」「プレビュー待ち」はスキップされます。
- 「プレビュー」〜「ライブ配信中」ステータスの間は、ライブ配信時間としてカウントされます。
- もし何も操作をしない場合、疑似ライブ配信は動画ファイルの再生を終え、その後5分を経過してから自動的に「ライブ配信終了」に遷移します。動画ファイルの再生終了後は黒画面となるため、黒画面を避けたい方は、コントロールルームでリアルタイムで監視を行い、動画が終了した時点で「ライブ配信終了」ボタンをクリックしてください。
パターン3:「VODモード」を選択した場合
適用モード: VOD
配信モードで「VODモード」を選択した場合、他の疑似ライブ配信とは全く異なる挙動となります。これは、疑似ライブ配信VODモードの場合のみ、配信サーバが起動せず、既存のVOD配信システムを用いて疑似ライブ配信が行われるためです。
各種処理は他の疑似ライブ配信よりもシンプルなものとなり、配信元で行うべきことはほとんどVOD配信と同じとなり、以下のようなものが考えられます。
- ライブイベント作成
- イベント作成後、順次配信URLの共有
- 他の疑似ライブ配信とは異なり、疑似ライブ配信に使用するファイルは「VOD」から選択する必要があります。そのため、事前に疑似ライブ配信用にVOD追加を実施してください。
- 疑似ライブ配信VODモードを利用する場合、配信サーバを利用しない配信方式であるため、ライブ配信時間としてカウントされません。
- 配信日時を変更したい場合、コントロールルームではなく、該当ライブの編集画面の開始日時、終了日時から変更してください。変更は各日時を経過していない限り、いつでも変更可能です。
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ライブイベントメニューの紹介
ライブ配信の流れと各機能についての理解に役立ちます。また、各ステータス詳細の説明もありますので、こちらで全体の理解を深めてください。 -
ライブイベントの編集
ライブイベントの作成後、編集できなくなる項目もあるため、事前確認がお勧めです。
というわけで、少々長くなりましたが、いかがでしたか。
ライブ配信よりも手間も作業ステップも短い疑似ライブ配信。仕組みさえ理解できれば、いろいろな場面で活用できること、まちがいなし!
さぁ、早速オリジナルコンテンツの配信のために疑似ライブ配信を利用してみましょう。