BlendVisionに、新たにチャットボットを作成、運用できる新機能が追加されました。
その名も、
ブレンドビジョン・アスク
とはいえ、チャットボットをビジネスシーンで活用、運用する機会はこれまでなかったため、どのように設計、構築、および運用すればいいのか、具体的にイメージできない方も多いのではないでしょうか。
そこで、このガイドでは、以下のような幅広い情報をご紹介します。
※この管理者ガイドは、実際に運用する場合に気をつけたい点、理解しておくべき点に重きを置いてご紹介しているため、公式ウェブサイトとは、多少異なる切り口・表現になっている部分もあります。より実際の運用者向けのガイドになっておりますことをご了承ください。
BlendVision AiSK とは
一言でまとめると、
- 動画や文書ファイル等を含めたさまざまな情報を検索対象(ソース)として登録し、質問(プロンプト)に対して必要な情報をAIが要約し、人間にわかりやすい口語表現で応答する、ビジネス向けにカスタマイズ可能な AI 搭載のチャットボット作成、運用ができる機能
…それがBlendVision AiSK(以後、AiSK) です。
▲AiSKはAiMの主要機能で、さまざまなデータを取り込み、それらをもとに回答を行います
AiSKは大きく、チャットボットの作成、運営を行う運用者側の管理画面と、実際にチャットボットに質問し、返答のコミュニケーションを行う利用者側のチャット画面の2種類から構成されます。
始める前に:専門用語の紹介
詳しい説明に入る前に、AiSKを利用する上で頻繁に登場する、聞き慣れない専門用語やサービス用語について、簡単に意味をご紹介します。
- テキストや音声による対話を通じて、まるで人間と会話するような表現でのコミュニケーションを行うソフトウェアを意味する。なお、「AiSK」は、BlendVisionのAIチャットボット機能全般を意味する場合もあれば、BlendVisionで生成されたチャットボットの俗称としても用いられる。
- 質問文(プロンプト)に応答し、テキストやさまざまなメディア(画像等)を生成することができる人工知能システムの一種と世間一般的に認知されている。生成AIモデルは、膨大なテキストを使用して訓練(トレーニング)を行うことで、幅広いタスクに対応したデータを生成することから、Generative(=生成力のある)AIと呼ばれる。
- ユーザが入力する質問文のこと。AiSKに限らず世間一般的に、AIが適切な応答・結果を返せるかどうかはこのプロンプトの品質次第と言われており、質問の仕方は、AIチャットボットを利用する上では非常に重要な要素となっている。
- AiSKがプロンプトに対して応答を作成する際に参照するデータベース名。複数のソースをまとめた総称。ライブラリ内の「ナレッジベース」に一覧で表示されている。
- AiSKがプロンプトに対して応答を作成する際に参照する、ナレッジベースに含まれている検索情報元。ライブラリ内の「ソース」に一覧で表示されている。
このAiSKにソースとして追加できるのは、以下のようなデータです。
(2024年4月現在)- 動画ファイル(VOD/ライブラリデータ)
- 音声ファイル(AOD)
- ローカルドライブデータ(現状はPDF/Wordファイル)
-
ウェブリンク(ウェブサイトをクロールで読み込ませたデータ*)
* 読み込み対象はウェブサイト上のテキスト(文字)データのみとなります。そのため、リンク先がデータファイルの場合、またはウェブサイト上の画像等の文字以外のデータは読み込まれません。
- AiSKのソース情報に変更があった場合、AiSKのステータスが「トレーニング中」となる。これは、AiSKがソースの変更内容を実際に正しく返答に反映できるように内部処理中(=訓練中)であることを意味する。
AiSK 導入の 2 大メリット
AiSKという新機能は、どのようにビジネスに恩恵をもたらすでしょうか。結論から言うと、特に際立つメリットは以下の 2 つに集約されます。
- 情報入手までの時間的コストを削減=生産性の向上
- 商品、サービスの付加価値アップ
とはいえ、文章で結論を見ても、具体的にイメージがつかめない方も多いことでしょう。早速、具体的なビジネスサービスで活用した場合のサンプル例から、どのように上記 2つのメリットが結論づけられるのかを見てみましょう。
【利用者視点】サンプル例から見る特長
例:以下のようなサービス展開中の会社にAiSKを導入し、公式サイトにAiSKのチャットボットを実装した場合、管理者 / エンドユーザー / 開発者にどのように活用されるかを見てみましょう。
- オンライン会計ソフトウェア(SaaS)をグローバル展開中
- 以下のように、さまざまな対象者に複数コンテンツを公式ウェブサイト上で公開中
データ | 利用対象者 | タイプ | 対応言語 |
運用マニュアル | 管理者 |
日本語、英語 |
|
サービス仕様書 | 管理者 | 日本語 | |
マニュアル | エンドユーザー | ウェブサイト | 日本語、英語 |
かんたん操作マニュアル | エンドユーザー | 動画 | 日本語 |
APIガイド | 開発者 | ウェブサイト | 英語 |
便利な機能その1:
複数のコンテンツ(動画、ウェブサイト、PDF)にまたがる情報からAIがわかりやすく回答+嬉しい引用元情報表示コントロール機能付き
-
具体的な状況例:
- 対象:エンドユーザー
- 習熟度:長年サービス利用中の上級者
- 要望:詳細設定の特定項目について詳しく理解したい
-
現状のお困りごと:
詳細項目のキーワードが複数ページ、複数コンテンツ(PDFやウェブサイト等)にまたがっていると、各ページをしっかり読み、自分自身で要約した上でないと、情報を詳しく理解しきれない
AiSK活用後...
-
必要箇所のみ抽出、要約:
キーワードに該当する情報を、AIが複数コンテンツから必要箇所のみ抽出、要約し、引用元情報を伴って回答表示するから、早い・簡単・ラク -
回答結果の引用を、表示、非表示がカスタマイズ可能:
AIチャットボットがビジネス利用されづらい原因の1つに、引用元情報が非公開である点がある。これでは、情報の真偽性を、検索する利用者が正しく判断できない。
それに対してAiSKは、回答結果の引用を、表示、非表示がカスタマイズ可能。これにより、用途に応じたAiSK運用で、利用者側の利便性を最大限に引き出すことが可能に。
便利な機能その2:
利用ユーザーが、欲しい情報を欲しいフォーマットで入手できるようソース範囲を簡単にカスタマイズ
-
具体的な状況例:
- 対象:エンドユーザー
- 習熟度:初心者🔰
- 要望:特定の設定項目について、動画で学びたい
-
現状のお困りごと:
便利な動画がいくつか公開されていても、どの動画のどのシーンに、欲しい情報説明があるかわからず、手当たり次第に検索結果の動画を開き、飛ばし飛ばし見ながら探す必要がある
AiSK活用後...
- 文字による回答だけでなく、回答根拠となった動画のピンポイントな場面も、引用表示一覧から視聴可能!=早い・簡単・ラク・わかりやすい!
便利な機能その3:
質問(プロンプト)の3言語マルチ対応により、言語の壁を越えて幅広いユーザー、ソース、用途で活用可能
-
具体的な状況例:
- 対象:英語が得意ではない日本人開発者
- 要望:英語で書かれたAPIガイドから、とあるアクションの詳細を調べたい
-
現状のお困りごと:
- 英語で記載された開発者ガイドの検索結果を1ページずつ(翻訳機能を駆使しながら)確認し、理解する必要がある
AiSK活用後 ↓
-
日本語で質問しても、API関連のキーワードがソースに合致すれば、英語ページを自動的に要約し、日本語に翻訳して表示してくれる**
**プロンプトで英単語を使う等の工夫をすることにより、ソース情報と合致した場合にこのような結果も実現可能となります。
このように、動画という次世代的な情報源(ソース)もフル活用したビジネス支援のAIチャットボットが、簡単にウェブサイトに導入、展開できるとしたらどうでしょう?
- 情報入手までの時間的コストを大幅削減 = 生産性の大幅向上
- 商品、サービスの付加価値アップ
動画を含めたAI活用に伴うこの2大メリットの恩恵により、ますますお客さまのビジネスを加速させるために非常に便利な機能の根幹を担っているのが、このAiSKです。
しかし、開発者でもない一般的な利用者に、AiSKを使いこなすことができるでしょうか。次に、上記機能を実現するための設定や特長を運用者側の視点に立って見ていきましょう。
【運用者視点】押さえておきたいAiSKの特長
結論から言うと、AiSKは日本語のみで設計、運用できる、ウェブコンソールでの設定で完結可能なチャットボット運用機能であるため、APIや詳しい開発者知識、難しいコード操作は一切不要で運用が可能です。
もちろん、API等の関連知識があれば、より自社ウェブサイトに理想的な形で実装できるのは間違いありません。とはいえ、基本的にはウェブサイトの1ページとして公開、運用ができる特性を持ち合わせているため、実際の設計、運用のほとんどは、ウェブコンソールの日本語UIのみで完結可能です。
早速、実際の特長や設定方法を見ていきましょう。
特長1:運用側の手間と複雑な構成を極力避けるよう配慮されたソースとナレッジベースコンセプト
例えば、フォルダ分けのように、1つのソースデータを1つのナレッジベースの中に保存してしまうと、他のナレッジベースでも利用したい場合、再度ソースデータを別のナレッジベースに再追加しなければならず、BlendVision上でのデータ量が増える上、毎回運用側の作業も非常に手間です。
このような手間や複雑さが発生しないよう、AiSKではソースとナレッジベースがそれぞれ独立しています。あとは紐付け方次第です。
例えば、以下の図をご覧ください。
目的やカテゴリーに応じて、ナレッジベース(ピンク)を複数作り、そのそれぞれに各ソース(紫)を紐付けることが可能です。
さらに、そうして出来上がった各ナレッジベース(ピンク)を、用途に応じて作成したAiSK(青)に対して、柔軟に紐付けることが可能です。
これにより、1つのソースのデータ量だけで、複数のナレッジベースやAiSK運用をする際にも、柔軟で手軽に、あらゆるソースを最大限活用することができます。
なお、各ソースをナレッジベースに、各ナレッジベースをAiSKに紐付けするにはUIから簡単なクリック操作で可能です。
また、ソースがウェブリンク(既存のウェブサイト)の場合、ワンクリックで再収集リクエストもできるため、更新作業も手間なく実施できます。
豆知識:更新作業について
現時点で、更新作業ができるのはウェブサイトを読み込んだ「ウェブリンク」のみです。他の動画や文書ファイルの場合、上書き機能がないため、現在のファイルを削除し、最新版を追加する操作となります。
また、ウェブリンクは追加時のクロール処理(ウェブサイトのコンテンツを読み取るシステム処理)により、AiSK検索用のソース情報を取得、保持します。逆に言うと、それ以後、該当ウェブサイト側が更新されても、AiSK側には自動反映されません。そのため、AiSKに再収集をさせるアクションが、先ほどご紹介したワンクリックによる更新作業です。
もし、頻繁に更新されるウェブサイトを、常に最新データの状態でAiSKのソース範囲としたい場合、更新処理の頻度について、適宜検討してください。
特長2:既に保有している動画、ウェブサイト、PDF等の文書があれば早速利用開始可能、その他必要な処理はBlendVision上で
AiSKは、動画、ウェブサイト、ローカルドライブのファイルをソースとして追加することで、全ての文字情報を検索対象とし、その中から、質問(プロンプト)に合わせて最も関連性が高いと思われる情報を収集し、応答を作成するという一連の動作をとります。
このソースのうち、ウェブサイトや文書ファイルはイメージがつきやすいと思いますが、動画ファイルはどのようにしてソース対象にするのでしょうか。
動画をアップロードしたら、AIによる自動文字起しを活用
AiSKでは、幅広いフォーマットの動画ファイルをライブラリにアップロードすれば、あとはAIによる自動文字起しによって、自動で字幕ファイルを生成することが可能です。そしてこの字幕ファイルが、実際のAiSKのソース範囲となる文字情報に該当します。
そのため、字幕情報(例えばsrt, rttファイル)を持っていない方でも、BlendVisionに動画をアップロードしさえすれば、あとは、BlendVision上で処理すれば、AiSKのソースとして追加できるようになります。
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豆知識 AI自動文字起しの字幕ファイルを、画面上で編集も可能
AI自動文字起しに対する不安の1つは、「正しく日本語変換されるだろうか?」ではないでしょうか。
たしかにAIはまだまだ発展途上であり、日本語は特に複雑な口語表現が多いため、まだ誤認識されるケースも存在します。
こうした状況で、正しく精度の高い情報に調整できるよう(=ビジネス利用を可能にするべく)、BlendVisionでは、生成後の字幕ファイルを画面上で編集することができます。これにより、AIの力を借りて大枠の字幕ファイルを生成し、最後に専門家による動画意図、表現の微修正を実施することにより、手間を最小限にして、適切な字幕ファイルを動画に付けることができます。
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豆知識 音声ベースの文字起しが故に発生する「読み・書き」の違いを編集でカバー
また、読み方と書き方が異なる単語を使ったサービスの場合にも、字幕ファイルの編集が便利に機能します。
例えば本機能のAiSK
読み方:アスク
書き方:AiSK
このような単語を含む動画を自動文字起しすると、間違いなく「アスク」として登録され、「AiSK」とプロンプトを打っても、AiSK≠アスクと認識されがちです。
このような場合、字幕ファイルを「アスク」から「アスク(AiSK)」に編集し、読み方と書き方の紐付け情報を追記しましょう。これにより、「AiSKって何?」という問いに、「アスク」が記録されたソースが返答対象とする確率を非常に高めることができます。
こうしたプロンプトに理解されやすいソース情報の準備・工夫は、AiSKのみで必要になるわけではなく、一般的にAIを活用・運用する際に必要となります。
理想的な結果を得るためには、ソース側、そしてプロンプト側の双方への工夫が重要な鍵となるため、こうした視点、考え方は、ぜひ生成AIを活用する際に考慮に入れていただければと思います。
回答のソース対象になるだけではなく、引用根拠となったシーンをその場で動画で再生可能
実はこの自動文字起しで生成された字幕ファイルのおかげで、AiSKのソース範囲ソース範囲が動画に広がるというだけではありません。
AiSK利用者に、回答に引用されたシーンを、その前後の近い場面から視聴してもらうことも可能です。**
**回答根拠となる引用を表示する設定にしている場合
これにより、「この動画のどこに該当のシーンがあるんだろう?」と、動画を倍速再生で見たり、結局すべて見る必要がある、というような状況を経験せずに、簡単にほしい情報に素早くアクセスできるようになります。
もっと言えば、動画は文字だけ、音声だけよりも圧倒的に情報量が多いため、検索利用ユーザーである視聴者に、より高い理解度と満足度を瞬時に提供することができるとも言えます。
こうした、自己解決力の向上だけでなく、素早く高品質な理解度を、適切な根拠をもとに回答として提供できるのは、動画もソースとして追加できるAiSKならではといえるでしょう。
特長3:幅広いニーズと公開方法を限られた予算で効率よく運用
デフォルトとして2種類のシンプルな公開方法をご用意
AiSKの公開方法は2種類:ウェブサイトURL と iframe埋込コードがデフォルトでご利用いただけます。
ウェブサイトURL |
iframe埋込コード |
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概要 |
AiSKを作成すると、自動的に生成されるURLのことです。 このURLをウェブサイトに公開したり、リンクを埋め込むと、そのリンクを開けるユーザーなら誰でもAiSKがすぐにご利用いただけます。 |
ウェブサイトの特定箇所や会員限定サイト、社内イントラ等にAiSKを埋め込む方式での公開方法です。 限定的なウェブサイトに埋め込むことで、外部からの不正アクセス、不正利用を減らすことが可能です。 |
メリット |
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デメリット |
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セキュアに公開したい場合に活用したいドメインコントロール
また、よりセキュアに特定ユーザーのみに公開したい場合、iframeコードと合わせてドメインコントロールを利用することをオススメします。
ドメインコントロールとは、特定の許可ドメインのみでAiSKが正常に表示されるよう制御できるセキュリティ機能の一種です。
これにより、万が一 、iframeコード内のAiSKのURLが漏洩しても、直接開いたり、別のサイトに埋め込んでも表示することができないため、不正利用されるリスクを回避することができます。
超過料金を防ぎつつ、適切量の利用をユーザーに許可する利用制限機能
生成AIを利用したことがある方には、利用制限はお馴染みのことでしょう。
生成AIは、1回の質問に対して非常に多くの処理を行って回答を生成することから、頻繁に利用すると、超過料金が発生、もしくは利用制限がかかる仕組みで運用されます。AiSKでも、一定の質問回数分の利用量枠を使い終えた場合、超過した質問回数に応じて超過料金となる仕様です。
こうした仕組みが、会社の不確定な出費リスクとなる場合もあります。そこでAiSKでは、1分単位・1日単位で、管理者が設定できる利用頻度の制御機能をご用意しています。
この機能を効果的に利用することで、不確定な大幅出費を防ぎながら、定額枠の利用量分を最大限に活用し、利用ユーザーの生産性向上とともに、貴社サービスに高品質な付加価値を与えることが可能です。
特長4:チャット画面の幅広いカスタマイズ
チャット画面のデザインは、ビジネス利用であれば細部までカスタマイズできることが理想でしょう。
AiSKでも、チャット画面のさまざまな箇所に対して、独自カスタマイズが可能となっています。その範囲は、画面のデザインにとどまらず、生成AIの振る舞い方(役割によるキャラクター設定)、回答精度の方向性(応答の長さや回答の品質)にまでおよびます。
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検索対象とするデータベースの選択
- 役割:AiSKの回答のフォーマット
- 創造性:返答内容に対する創造性要素をどの程度許容するか
- 応答の長さ:回答文字の長さ
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豆知識:AiSKの応答関連設定後の動作確認の重要性
役割や創造性等のAiSKの応答関連設定自体は、日本語で設定できます。ただし、これは確定的な設定値ではなく、あくまでAiSKの応答精度に対する一種のプロンプト(要求・命令)として扱われます。つまり、AiSKは設定された内容を分析し、よりそのプロンプトに合致する表現・振る舞い・方針で回答を生成するということです。そのため、AiSKの応答関連設定の後には、理想的な応答ができているか、実際に利用して確認を行いましょう。(なお、設定変更を行うと、常に画面は動作確認エリアに遷移するため、そこで実際の挙動を簡単に確認できます。)- ナレッジベース選択:ユーザーがナレッジベースを指定して検索できるようにするか
- 引用表示:AiSKの回答根拠となる引用元ソースのユーザーによる閲覧、視聴を許可するか
- ロゴ(プロフィール写真)
- 表示名
- 初回表示メッセージ
- 入力ボックスの補助メッセージ
- テーマ
- ユーザーメッセージの背景色
最後に:AiSK導入、運用に向けて
さて、ここまででいかがでしたでしょうか。
- 幅広いカスタマイズが可能
- ウェブコンソールでの日本語操作で簡単にAiSK運用を始められる
こうした点がおわかりいただけたのではないでしょうか。
とはいえ、AiSKは新機能であり、これまでにない新しいサービスであることから、まだまだ発展途上な部分もあります。そうした現状を踏まえ、運用していく上で、最初にご理解いただきたいことをこちらでご紹介します。
(2024年4月時点)
- どんなに操作がUIで直感的にできると言っても、AiSKの回答時の選択肢を、より正確で精度の高いものにしようとこだわる用途をお持ちの場合には、高品質なソースにしっかりとした量で追加するケースも出てくるでしょう。
(特に動画の場合、動画をアップロードした後、字幕処理をし、さらに自動文字起しの内容を、引用表示として動画を表示させる場合には、編集してからソース追加とした方がいい場合もあります。)
ソースの準備、ナレッジベースの構成、レイアウト検討、利用ユーザーへのプロンプトガイド等、どうしても運用者側の裁量にかかってくる部分もあります。この部分については、AiSKに限らずチャットボットをマルチメディア(動画、ウェブサイト、ローカルデータ)ソースから運用するという意味合いでは、用途によってはどうしても必要な労力と時間になります。 - AiSKは、生成AIによる返答処理が行われるサービスですので、固定的なプログラムに沿って固定的な回答が表示される仕組みとは全く異なります。
そのため、ソース情報の種類や取り扱う情報の内容によっては、どうしても運営元による工夫だけでは足らず、エンドユーザーの質問(プロンプト)の品質を工夫する必要も出てくる場合があります。
こうした挙動については、AiSK作成後、いくつかの質問や挙動確認を実施いただき、適宜、役割設定をカスタマイズしたり、ユーザーに対して入力ボックスの補助メッセージ欄(iframe埋込コードを利用する場合はウェブサイトの補足記載)で、どのように質問するとよいか記載する等、運用面でも工夫をしながら、理想的な運用体制を見つけ出してください。 - 2022年末ごろにアメリカで発表されて以来、LLM型の生成AIの驚異的な成長ペースは、周知の事実でしょう。しかし、現段階で最新鋭の生成AIを本格的な商用利用するには、まだまだ課題が多いことも事実です。
そうした現状の世間認知でビジネス利用のAiSKを見た時、多くの方が最も気になるのは、質問入力後の反応速度でしょう。今後、生成AI業界の発展に伴い、どんどんAiSKも改良予定ですが、それでも現状は、まだ改良の余地がある旨、サービス運営元でも認識しているところです。
ただし、これまでの簡易的なチャットボットによる対応、もしくは有人の手動タイピングによるチャット対応の応対速度と比較した際、どちらがユーザーにとって、満足のいく回答入手までの時間が短いかという観点でいけば、AiSK導入を検討に入れる価値はおおいにあるのではないでしょうか。
この点については、一度無料トライアルで実際にお試しいただき、ご判断いただければと思います。